مشاركة

秘密の恋愛と過去との決別 PAGE9

مؤلف: 日暮ミミ♪
last update آخر تحديث: 2025-11-24 09:26:46

   * * * *

 ――それから一ヶ月後の、五月の大型連休が終わりに近づいたある日。絢乃さんが、少し早めに僕のアパートで誕生日を祝って下さることになった。

 午後からとよのショッピングモールでビーフカレーの材料とケーキを買い込み、プレゼントとして僕がリクエストしたスポーツウォッチも買って下さるという。そして、僕の部屋で一緒に料理をしてささやかなパーティーをしよう、ということだった。

 絢乃さんは十八歳になって間もなくご自身名義のクレジットカードを作られ、その日の買い物の代金も遅めのランチ代もすべてカード決済して下さった。彼女の気前のよさが、いつか災いするのではないかと僕はヒヤヒヤしているのだが……。

 その日、僕は絢乃さんから新学年になってできたというお友達を紹介された。短めのポニーテールと赤いフレームの伊達メガネがキュートな彼女・阿佐間あさまゆいさんは、篠沢グループの顧問弁護士である阿佐間先生のお嬢さんだという。

 唯さんからの情報ではその日、あの小坂リョウジさんが映画の舞台挨拶を行っていたらしい。でも、絢乃さんが僕以外の男は眼中にないと言って下さったので、僕は安心した。だから、あの人が原因で後にあんな事態に陥ることになるなんて思ってもみなかった。

   * * * *

 ――僕もお手伝いして完成した美味しいビーフカレーとチョコレートケーキで、二人だけのパーティーをして、ちょっとした新婚気分を味わった。……そういえば、二人でサイダーを飲んでいたが、絢乃さんは「炭酸が苦手だ」とおっしゃっていたような。

 それはともかく、僕はそれが次のステップへ進むチャンス到来のように思ってしまい、いや待て待てと自分をいさめていた。

 そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、絢乃さんが「結婚についてどう思う?」と逆プロポーズのような質問を投げかけてきた。

 僕は彼女がまだ高校生だったことや、実家の家柄が篠沢家ほど裕福ではないことなどを言い訳にしてはぐらかそうとしたが、次の瞬間絢乃さんが本気を見せてきた。

「わたし、本気だよ」

 彼女は真剣な目で僕を見つめた後、初めて彼女から僕にキスをした。その時の彼女は少し大人びて見えて、僕の鼓動が早くなった。僕からもキスを返し、彼女から「キス、上手だね」と感心されたが、正直そんな余裕なんてなかった。

 彼女
استمر في قراءة هذا الكتاب مجانا
امسح الكود لتنزيل التطبيق
الفصل مغلق

أحدث فصل

  • トップシークレット☆桐島編 ~お嬢さま会長に恋した新米秘書~   彼女に出会えたことの意味 PAGE1

     僕の両親との顔合わせを済ませた六月下旬、絢乃さんは二泊三日の修学旅行で韓国へ行かれた。 僕にも楽しい旅行の様子を写真とともにメッセージで知らせて下さり、中でも貸衣装だという朝鮮王朝の宮廷衣装に身を包んだ写真は、本当によくお似合いだった。 そして、通訳を兼ねたガイドさんも同行していたのに、韓国語も堪能な絢乃さんがしばしば通訳として駆り出されていたらしい。それだけ彼女が頼りにされていたということだろう。やっぱり彼女は生まれながらにしての、グローバル企業の経営者なのだと思った。 そんな絢乃さんとこんな平凡な僕が恋人同士になり、結婚にまで漕ぎつけようとしていたのはやっぱり運命だったのだろう。 八月には夏季休暇を利用して、絢乃さんと二人で神戸旅行へ行った。厳密に言えば〝出張を兼ねての旅行〟で、メインの目的は仕事の方だったのだが。「――絢乃、桐島くん。あなたたちに、夏季休暇の間に出張をお願いしたいの。一泊二日で神戸まで行ってきてほしいのよ」 加奈子さんからそう言われたのは八月の頭のことだった。十月に新規開業する篠沢商事・神戸支社の視察をしてきてほしい、と。「視察自体はすぐに終わると思うから、空いた時間は二人で観光でも楽しんでらっしゃい♪ 婚前旅行ってことで」 〝婚前旅行〟と聞いて、絢乃さんの顔が火を噴いたことは言うまでもない。僕と二人きりで、泊まりの旅行に行くのだから。当然、そこでどんなことが待っているかも想像はされていたのだろう。 僕もそのつもりではあったが、恋人とはいえまだ高校生だった絢乃さんにおいそれと手を出すわけにはいかないし、あくまでも仕事が名目だった。「…………あの、桐島さん。ホテルの部屋なんだけど……」 ホテルの手配は秘書である僕の仕事だったため、いざ部屋を予約しようとしていると、まだ耳たぶまで真っ赤だった絢乃さんがおずおずと僕の顔を窺いながら切り出した。「一緒の部屋というわけにはいきませんよね。出張なんですから、シングルルームを二部屋取りましょうか」「……うん、その方がいい」 僕の答えに、彼女はホッとされたようだった。僕が初恋であり、生れてはじめての彼氏だった絢乃さんはやっぱり、早急に関係を進めようと思われていなかったらしい。「ですが、淋しくなったら僕の部屋に来て下さっても全然構いませんからね?」「……………

  • トップシークレット☆桐島編 ~お嬢さま会長に恋した新米秘書~   秘密の恋愛と過去との決別 PAGE12

       * * * * 絢乃さんとの結婚の意思を固めて間もない日の仕事帰り、僕は思いがけず日比野美咲と再会した。いや、結婚していたから苗字は変わっていたが。「――桐島くん?」「日比野……いや、今は違うか。美咲って呼ばないとダメかな」「ううん、別にいいよ」 彼女はセレブ妻になったはずなのに、ちっとも幸せそうに見えなかった。結婚生活がうまくいっていなかったのだろうか? 立ち話も何なので、彼女とはファミレス(兄の店ではない)で話すことにした。僕のクルマの中で、二人きりで話すなんてまっぴらゴメンだったし。「――あの……ね、あたし、離婚したの」「えっ、もう!? だって、まだ一年半も経ってないだろ?」 いきなりの爆弾発言に、僕は飲んでいたガムシロップ少なめのアイスカフェオレを噴き出しそうになった。「うん。でもダメだったんだ。あたし、セレブ妻には向いてなかったみたい。子供もできなかたったし、お姑さんのイヤミ攻撃にも耐えられなくなって」「あー……、なるほど」 男に媚びることしかしてこなかっただろう彼女ならそうだろうな、と僕は妙に納得できた。「というわけで、あたしまた独身に戻ったの。だから……桐島くん、あたしたちまた付き合わない? 今度は桐島くんが本命だよ。どう?」「悪いけど俺、結婚したい相手がいるから。男あさりたいなら他のヤツ当たって」 あまりにも勝手すぎる美咲の言い分に、僕はブチ切れた。この女は僕の気持ちなんてちっとも分かっていないのだ。「え……結婚するの? 相手はどんな人?」「篠沢絢乃さん。今の篠沢グループの会長だよ。俺いま、彼女の秘書なんだ。で、二月からお付き合いしてる。彼女はまだ高校生だから、結婚するのは卒業後になると思うけど」 彼女に口を挟まれるのはムカつくので、一気にまくし立てた。「そっか、会長さんと……。それって逆玉ってヤツ?」「逆玉なんか狙ってねぇよ。俺、本気だから。こないだも両親に会って頂いた。――彼女は俺の過去なんか気にしない、過去なんかなかったことにしてあげるって言って下さったんだ。だから俺も、美咲とのことにそろそろ決着つけたい。彼女のためにも」「……………………分かった! もういいよ、もう桐島くんには会わない! あ~~、声かけるんじゃなかった! せいぜい可愛い会長さんと仲良くすれば!? お幸せにっ

  • トップシークレット☆桐島編 ~お嬢さま会長に恋した新米秘書~   秘密の恋愛と過去との決別 PAGE11

       * * * * 絢乃さんの桐島家訪問が実現したのは、その週の土曜日だった。「――じゃあ俺、絢乃さんをお迎えに行ってくるから」「行ってらっしゃい、貢。お母さん、今日はウチのキッチンで、絢乃さんと一緒にお料理しようかしら」 午後三時ごろ、雨の降る中僕を送り出そうとしていた母の言葉には、息子の恋人への願望が込められていた。「あー、うん。そうなるといいね、母さん」 僕もそうなってくれたらいいなと思った。僕の母と絢乃さんは相性がよさそうなので、良好な嫁姑の関係が築けると思う。絢乃さんがお嫁に来てくれるわけではないが。  そういえば、日比野を両親に紹介したことはなかった。二股をかけられていたから、紹介しづらかったというのもある。 この日、絢乃さんは可愛いワンピースの上からオフホワイトのカーディガンを羽織り、足元は真っ白なサンダルという爽やかなスタイルだった。そういえば、豊洲に行った時には珍しくパンツスタイルだったっけな。 クルマの中で、母が彼女と一緒に料理したがっていることを伝えると、「桐島家の一員になれるみたいで、わたしも楽しみ」と顔を綻ばせておられた。やっぱり彼女と母は気が合いそうだと思い、僕も嬉しかった。 でもそのためには、僕の中にある過去への蟠りを早く清算してしまわなければ……。 途中のパティスリーで手土産のいちごショートを五個購入し、桐島家で僕の両親に挨拶する絢乃さんはさしずめ結婚の挨拶に来たようだった。  早番で出勤していた兄も夕方には(それも、みんなでケーキを頂いていた時だ)帰宅し、夕食の準備は母と絢乃さんの二人ですることになった。「――貢、お前は手伝ってやらなくていいのか?」 キッチンでの手伝いを申し出てあえなく断られたらしい兄が、リビングで父と一緒にTVを観ていた僕にそう言った。「いいよ、俺は。どうせジャマになるだけだし。嫁姑の二人きりにしてあげた方がいいかな、と思ってさ」 きっと女同士でしか話せないこともたくさんあるだろう。まさかその時に、母が絢乃さんに僕のトラウマのことを暴露していたとは思わなかったが。 一緒にきのこデミグラスソースのハンバーグの夕食を囲んでいた時、絢乃さんの目が少し赤くなっていたことが僕は気になっていた。もしかして、僕のために涙を……? 帰りの車内でそれとなく訊ねてみると、その

  • トップシークレット☆桐島編 ~お嬢さま会長に恋した新米秘書~   秘密の恋愛と過去との決別 PAGE10

     ――それからまた一ヶ月間、僕は絢乃さんからの逆プロポーズの返事を延ばし延ばしにしていた。 その間に絢乃さんの学校は衣更えをして、僕は彼女の夏服姿を初めて見た。「それが夏服ですか。可愛いですね。よくお似合いです」 さすがは名門お嬢さま学校だけあって、夏服もオシャレだった。少しピンクがかった半袖のブラウスに白地に赤のタータンチェック模様が入ったプリーツスカート、それに冬服と同じ赤いリボン。僕が通っていた公立高校のダサい夏服とは雲泥の差である。 それはともかく、僕は絢乃さんとの結婚に向け、どうやったら過去のトラウマ――日比野美咲とのことに終止符を打てるのか、そればかり考えていた。 あれを僕自身は〝恋愛〟としてカウントしていないが、僕の家族――とりわけ母はあの失恋に当人である僕以上に心を痛めており、何かと僕を気遣ってくれていた。そのため、僕にちゃんとした恋人ができるのか、僕が結婚できるのかといつも心配していたのだが。「――母さん、俺さ、今お付き合いしてる人がいるんだ」 そんな母を安心させたくて、僕はある日の夜、実家に電話した。絢乃さんとお付き合いしていることを報告するために。 いや、もっと早く報告しろよと言われそうだが、これも僕の方で覚悟が決まらずにズルズルと先延ばしになっていたのだ。……もっとも、兄から先に聞いていただろうが。 すると母は「どんな女性なのか紹介してほしい」と言ってきて、絢乃さんとウチの両親を引き会わせることになった。 翌日の勤務中、その話を絢乃会長に切り出すと、最初はプロポーズの返事を聞けると期待されていたらしい彼女は拍子抜けされていたが。「いいよ。わたしも、貴方のご両親には一度お目にかかりたいなって思ってたから」 そう快諾され、僕の実家を訪れる日程まで決めて下さった。「サプライズ訪問の方がいいか」という小ボケも挟みつつ。 そういえば、僕は絢乃さんのご両親のことを――お亡くなりになったお父さまも含めて――よく知っていたが、彼女を兄以外の僕の家族に会わせたことがなかったので、これは不公平だなと思っていた。 その後、痺れを切らしたらしい彼女から、僕が結婚に踏み切れない理由が僕自身にあるのではないかとズバリ指摘され、僕はショックを受けた。心の傷は思っていた以上に深く、まだカサブタにすらなっていないのだと。 そのせい

  • トップシークレット☆桐島編 ~お嬢さま会長に恋した新米秘書~   秘密の恋愛と過去との決別 PAGE9

       * * * * ――それから一ヶ月後の、五月の大型連休が終わりに近づいたある日。絢乃さんが、少し早めに僕のアパートで誕生日を祝って下さることになった。 午後から豊洲のショッピングモールでビーフカレーの材料とケーキを買い込み、プレゼントとして僕がリクエストしたスポーツウォッチも買って下さるという。そして、僕の部屋で一緒に料理をしてささやかなパーティーをしよう、ということだった。 絢乃さんは十八歳になって間もなくご自身名義のクレジットカードを作られ、その日の買い物の代金も遅めのランチ代もすべてカード決済して下さった。彼女の気前のよさが、いつか災いするのではないかと僕はヒヤヒヤしているのだが……。 その日、僕は絢乃さんから新学年になってできたというお友達を紹介された。短めのポニーテールと赤いフレームの伊達メガネがキュートな彼女・阿佐間唯さんは、篠沢グループの顧問弁護士である阿佐間先生のお嬢さんだという。 唯さんからの情報ではその日、あの小坂リョウジさんが映画の舞台挨拶を行っていたらしい。でも、絢乃さんが僕以外の男は眼中にないと言って下さったので、僕は安心した。だから、あの人が原因で後にあんな事態に陥ることになるなんて思ってもみなかった。   * * * * ――僕もお手伝いして完成した美味しいビーフカレーとチョコレートケーキで、二人だけのパーティーをして、ちょっとした新婚気分を味わった。……そういえば、二人でサイダーを飲んでいたが、絢乃さんは「炭酸が苦手だ」とおっしゃっていたような。 それはともかく、僕はそれが次のステップへ進むチャンス到来のように思ってしまい、いや待て待てと自分を諫めていた。 そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、絢乃さんが「結婚についてどう思う?」と逆プロポーズのような質問を投げかけてきた。 僕は彼女がまだ高校生だったことや、実家の家柄が篠沢家ほど裕福ではないことなどを言い訳にしてはぐらかそうとしたが、次の瞬間絢乃さんが本気を見せてきた。「わたし、本気だよ」 彼女は真剣な目で僕を見つめた後、初めて彼女から僕にキスをした。その時の彼女は少し大人びて見えて、僕の鼓動が早くなった。僕からもキスを返し、彼女から「キス、上手だね」と感心されたが、正直そんな余裕なんてなかった。 彼女

  • トップシークレット☆桐島編 ~お嬢さま会長に恋した新米秘書~   秘密の恋愛と過去との決別 PAGE8

       * * * * ――そしてやってきた、絢乃さんの十八歳のお誕生日当日。 学校はまだ春休み中だったため、彼女は朝からスーツ姿で出社されていた。元は僕の願望でありワガママだったのだが、それを叶えて下さった絢乃さんは本当に僕のことを愛して下さっているのだと思うと嬉しかった。 新年度を迎えて三日目。絢乃さんは入社の挨拶に訪れる新入社員の応対をしたり、新入社員たちのリストに目を通したり、社内の改革を進めるための根回しをしたりしながら通常業務をこなされ、なかなかにハードな一日を過ごされていた。 そして、お疲れの中迎えた夕方六時。「――桐島さん、今日は夕飯どうしようか?」 彼女がOAチェアーの背もたれに身を預けて伸びをしながら飛んできた問いかけに、僕は「待ってました」と小さく拳を握った。「それでしたら、僕の方で決めて、すでに予約してある店があるのでそこでディナーにしませんか? 僕からのお祝いということで」 実は前日のうちに、ネットで見つけたおしゃれだがリーズナブルな洋食屋さん(注:兄の店ではない)を予約してあったのだ。いつも絢乃さんにごちそうになりっぱなしだったので、たまには僕が美味しいものをごちそうしようと思っていて、彼女のお誕生日はそのいい口実だったのだ。「用意周到だ」と笑いたければ笑ってくれ。 絢乃さんは僕が支払いを持って大丈夫なのかと心配されていたが、「たまにはいいでしょう? 僕に花を持たせると思って」と言ったら、そこは素直に折れて下さった。彼女は僕のプライドをへし折らないよう、そこは僕を立てようとして下さったらしい。 プレゼントもちゃんと用意してあるというと、彼女は無邪気に「やったぁ♪」と喜んで下さって、この人は本当に可愛いなぁと僕はこっそり鼻の下を伸ばしていた。 何だかんだ言ったとて、僕は健全な大人の男なのだ。彼女との関係はまだキス止まりだったが、十八歳ということは法律上成人となった彼女と、そろそろ次のステップに進みたいなと思い始めていたのはこの頃からだ。体の関係も、二人の関係でも――ただの恋人同士ではなく、結婚に向けてということだ。  食事の最中、彼女にプレゼントのネックレスを渡すと、「一生の宝物にする」とものすごく喜んで下さった。 シンプルだが可愛いデザインのネックレスは華奢な彼女の首元にピッタリ収まり、やっぱりこ

فصول أخرى
استكشاف وقراءة روايات جيدة مجانية
الوصول المجاني إلى عدد كبير من الروايات الجيدة على تطبيق GoodNovel. تنزيل الكتب التي تحبها وقراءتها كلما وأينما أردت
اقرأ الكتب مجانا في التطبيق
امسح الكود للقراءة على التطبيق
DMCA.com Protection Status